シャドウ
傷ましいストーリー展開なのですが、読後感は良いです。むしろ爽やかと言うか。「矛盾の無いどんでん返し」系の小説をお好みの方にお薦め。
道尾秀介氏の小説は、これまでに短編集1冊しか読んだことが無かったのですが、長編の方が面白いかも。「小市民シリーズ」でどっぷりハマった米澤穂信氏の作品はほとんど喰い散らかしてしまったので、次は道尾作品を漁ってみようかと思います。
シャドウ 道尾秀介(創元推理文庫)
第七回本格ミステリ大賞受賞作。あれこれ推測せず素直に読み進める方が、終盤の展開がぐっときます。
鬼の跫音(あしおと) 道尾秀介(角川書店)
ややホラー色の強いミステリー短編集。おお、そうきたか、という意外な結末のストーリーが6編掲載されています。時間をさかのぼる形で描かれる「冬の鬼」が良かったなあ。
ホラー色が濃いだけあって、全編もれなく「ぞっとする」系ですので、怖いお話が苦手な方にはお薦めできないかも。表紙がすでに怖いし。