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告白

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ちょっと今更ではありますが、先日、湊かなえの『告白』を読了しました。
「後味が悪い」「救いが無い」「読まなければよかった」などの酷評に惑ってなかなか手が出せずにいたのですが、映画のCMを観て以来、もう気になって気になって仕方がなくなったので、文庫で購入。結論から申し上げますと、ものすごく面白い作品でした。レビューを気にしすぎずに、もっと早くに読めば良かった!
レビューに多く見られる「第1章が秀逸」という意見には大いに賛成です。「森口先生」の、あまりにも無駄のない台詞回しに感嘆しました。
確かに第1章だけで一つの作品として完結しているのですが、私はその後の流れもあって良しだと思います。一つの事件が色々な角度から語られる展開にはぐいぐいと引き込まれますし、特に最終章には驚かされました。
それにしても、ここまで「愛すべき人」が登場しない小説は久しぶりです。途中、何度か数人の登場人物に心揺さぶられはしたものの、最終的には誰にも感情移入ができないので、私はむしろすっきりと読めました。現実にあったら怖すぎる話ですが、これはあくまでフィクションなのですし。
邪悪系小説OKな方、お薦めです。(※但し、中学生のお子さんを持つ方は、ちょっと抵抗を感じられるかもしれませんし、多感な年頃の方々にはあまりお勧めできないかもしれません。ちなみに映画はR15指定です。)


(参 考)
 『告白』 湊かなえ (双葉文庫)
2009年度 本屋大賞受賞作品。
文庫版には、中島哲也監督の映画に関するインタビューも掲載されています。

『告白』 映画 公式サイト
http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html
主演の松たか子は最高の適役だと思います。他の人が思いつかない。
第1章部分の台詞を淡々と語る松たか子、観てみたいなあ。
by honey_camera | 2010-06-11 11:13 | Ricoh R8