桜の国
まだ開花したばかりのぴかぴかの状態なのに。なんとなく胸が痛みます。
近年、このような「桜の花の生首」(←表現が大変良くないです)が大量に落ちている光景をよく目にするようになりました。当初は、排気ガスなどのせいで木が弱っているのか、近年の気候が悪いのかなどと考えていたのですが、実際は鳥が桜の花の子房を食べてしまうからとのこと。この部分を啄ばまれてしまうと、ガクと花びらはそのままの形で枝から落ちてしまうのです。
よく見れば、確かにこの木の枝にも小さな鳥の姿がありました。
…お前か、犯人は。
桜と言えば、週末に観たDVDがもう1本あります。
夕凪の街 桜の国 [DVD]
田中麗奈, 藤村志保, 伊崎充則, 麻生久美子, 佐々部清
昭和三十三年(原作では昭和三十年)の広島が舞台の「夕凪の街」と、その50年後を描く「桜の国」。
「日々是マルディちゃん(仮)」のマルディちゃんに教えていただいて原作を読み、物凄い衝撃を受けたので、映画も是非観ておきたいと思っていたのです。
原作のイメージそのままの映画でした。キャストも音楽もとても良いです。
●映画 夕凪の街 桜の国 公式サイト
http://www.yunagi-sakura.jp/
※音が出ます
夕凪の街桜の国
こうの 史代
原作はこちら。
ページ数は少なめですが、こめられているメッセージは1度読んだだけではつかみきれないほど。
戦後10年の広島と、そこに暮らす人達。戦争の話や「ヒロシマ」の話は、様々なメディアで度々目にしてきましたが、このような角度で描かれているものは初めてでした。
ほんわかとした絵柄で、残酷な描写はほとんど無いのに、大変な説得力があります。
百聞は一見にしかず。興味を持たれた方は、ぜひご自身の目でご覧になってください。(4月8日に文庫版も出るようです)
後半の「桜の国」は、原作と映画ともにほぼ同じ内容ですが、前半の「夕凪の街」はほんの少しだけ脚色されている部分があります。
原作には、映画には無い言葉の持つ重さが、そして映画には、わずかではありますが原作には無い「救い」があったように思います。
個人的に、原作→映画の順でご覧になることをお薦めします。